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執筆者の写真湯本裕二

セッション

占星術の鑑定をセッションということがあります。

 

日本語だと鑑定で、運命を鑑別して定める、という程の意味になるわけですが、やはり一方的です。

 

古典の西洋占星術は大体こういった方向で、運命は生まれた瞬間に固定されていて、絶対に動かせない、とされています。

 

現代占星術はもっと弛いです。

 

バックグラウンドに神智学協会の思想があるからです。

 

ブラヴァツキーの下に居たアラン・レオが現代占星術を構成したとされています。

 

心理占星術といいますが、決定された運命でなく、心理のあり方によって運命が変えられる、という思考の形態です。

 

ですので、フロイト、ユングの精神分析、心理学と相性が良いのです。ユングはアラン・レオの本を読んでいました。

 

交差して並行して発展したといえるのでしょう。

 

ラカンやジジェクのいうような否定神学とも、アメリカのニューエイジやスピリチュアリストとも当然無矛盾です。

 

ようするに、現代占星術は最初からなんでもありです。

 

怪しげなものをすべて投げ込むことのできる場であります。

 

精神分析では、分析の場をセッションと呼びます。

 

また、セッションと言う単語は現在では容易にジャズのジャムセッションを連想します。

 

辞書を引くと、セッションとは特定の必要の為に集った会合、という意味の様です。

 

つまり、リードする人物がいるとしても、対等の関係によって新たな認識を創造するための会合ということです。

 

占星術をしていますと、やればやるほど、冗談ではなく、自分が神になったような氣がしてきます。

 

これは当然で、現代占星術は、自分たちで自分たちの未来を創造するために、未来と過去を観測するわけですから、部分的に神の力を自分は有している、と感じてしまいます。

 

ある種の大衆化されたオカルティズムですから、扱いようによっては危険です。

 

そのため、無意識的な防衛機制として、お笑い風味の占いや、お金に汚いことを自称する占い師などがいます。

 

笑いやお金にこだわる占い師は、安全です。お勧めです。

 

彼らの占星術は日常の範囲にとどまるからです。

 

真剣でお金を求めない占い師は、危険です。

 

話を戻して、占いに於けるセッションという呼び方ですが、この語は自我が確立された個人同士が、波長を合わせて、アイディアを統合して、新たな未来を創造する、と言う意味であると私は解釈しています。

 

相手が子供ではセッションにならないんです。

 

星読みはセッションだとつくづく思います。

 

今まででセッションが成立した最年少は14歳の少年でした。

 

上手く波長が合うと、とても面白い結果になります。

 

ダメな時はダメなんですね。

 

堂々巡りみたいな話なんですが、来られる方と私の間には、何らかの不思議な力が作用しています。

 

運命的な力です。

 

そこには抗えないんですね。

 

不思議なことと現実的なことは、人生に付いて回ります。

 

どちらも避けない方が良いみたいです。

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